病気は原因ではなく結果である。

「病気は原因ではなく結果である」

うつ病やパニック障害などストレス性障害には必ず原因があると考えます。例外は双極性障害だけかも知れない。ある講演会で話した原稿ですので、箇条書きになっています。悪しからず。
 
1)うつ病やパニック障害は患者さんが示す赤信号である。
 症状はストレス(原因)が限界に来た時に点灯する信号と理解しよう。
 その原因整理と対策こそがうつ病治療で求められるものです。
 パニック障害も同様です。病気は原因ではなく結果(赤信号)なのです。

2)いろいろな原因(ストレス)がある。
 外なる原因(仕事や生活環境など)と内なる原因(性格やものの考え方、生活習慣など)があります。これらが絡み合って、限界が来た時に赤信号として症状が出現する

A<外なるストレス>
➀会社のストレス;仕事の内容、量、質/勤務状態(残業・変則勤務など)、単身赴任/
   給与/人間関係(特定の嫌な人、嫌な集団or職場で孤立)など多彩。
②家庭内:夫婦のもめごと、子供の心配ごと、嫁姑問題、借金問題、家族の介護、遺産
   相続など・・・現実的悩みごと。
③プライベート;失恋、友人の裏切り、金の貸し借りなど。
④重大な身体病;
 ・麻痺、失明など日常生活に大きな制限がかかる後遺症→身体的自由がきかなくなる苦痛。
 癌や進行性の疾患など改善が期待出来ない身体病など→将来の不安。
 高齢者では体力低下。

B<内なるストレス>自覚されていないことが多い
 目標喪失:仕事の喪失(定年退職など)、子供の自立(卒業、結婚)、
      親友や親など依存対象の喪失、
家の新築や転居、イベント(旅行・孫の結婚)などが終わった後の空虚さ。
      受験、資格取得の勉強後の空虚感。
一人暮らし+孤立(特に高齢者に多い)→淋しさ

C<性格的問題>
➀心配性→些細なことで不安が強くなる。、
②本音が出せない+自己主張が出来ない→断れない。結果として悩み事を抱え込んでしまう。
③完全癖→完璧にしたい人は手抜きが出来ない、
④協調性が悪い:我が儘、短気、自己中心的言動→孤立。
        アスペルガーなど→場が読めない。
⑤非社交的  緊張しやすい、人付き合いが苦手 →孤立傾向
⑥幼い ⑦知的に低い ⑧話題がない(引き出しが少ない) ⑨おっとり性格(のろまさん)

★このようにいろいろな原因が重なって、限界に来た時に発病するものです。主治医と一緒に原因の整理をしましょうね。